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「伸びはやや鈍化したが、根強い需要」

〜三井不販・高橋部長が中古市場について語る〜

三井不販経営企画本部マーケティング部長・高橋克己氏

 

リアルプランは秋に新店舗を開設

 新築マンション市場はやや雲行きが怪しくなってきたが、中古市場はどうか。今後の中古市場動向などについて、三井不動産販売経営企画本部マーケティング部長・高橋克己氏に話を聞いた。

 ――ここ最近の中古市場はどうか
 昨年度は、新築市場と同様、首都圏だけでなく近畿圏、中部圏も好調に推移した。今年度の第1四半期は、昨年度の勢いを引きずりながらも、価格上昇と取得能力との乖離も見られ、やや伸びは鈍化した。当社だけでなく、他の大手も微増と聞いている。

 第2四半期は、サブプライムローン問題や新築マンションの供給が少なかったことなどの影響が出てきたようだ。しかし、消費者の買い意欲は根強いものがある。通常は築8年〜10年ぐらいの物件が動くが、最近は築5年ぐらいの築浅物件が相当市場に出回ってきている。築浅物件には、スペックのいいものも多い。

 ――富裕層向けは伸びそうだが
 昨年に見られたような投資目的による取引は減りつつあるが、都心部のプレミアムマンションなどはまだ強含みにある。当社のリアルプランでの成約事例で特徴的なのは、実需で購入する比率が高まっているということだ。

 現在、リアルプランは8店舗と今春オープンした東京ミッドタウン内のリアルプランサロンだが、今秋1店舗出店する予定だ。リアルプランの会員組織 class-R の会員数は約2000人にのぼっており、リアルプラン事業を今後強化していきたい。

 ――オークション市場の立ち上げについて
 先発各社のオークションは、どちらかといえばシステムを提供するという側面が強く、物件も居住用はまだ少ないようだ。5社で立ち上げた不動産オークション協議会では、一般のお客様にとって安心・安全なオークション市場はどうあるべきかを検討している段階だ。来年度にはテスト的に立ち上げると聞いている。

オークション市場には「資産性」情報の公開を

 記者は、オークション市場に期待している。既存のオークション市場もそうだが、投資・セカンドハウスなどには最適の手法で、一般的なマンションでも有効な手法となりそうだ。

 ただ、是非とも整備して欲しいのは、消費者が求める情報の公開だ。消費者が求めているのは「履歴情報」もそうだが、資産性の開示だ。分かりやすくいえば、売主はどこか、施工会社はどこか、設計・監理はどこかなどだろう。住環境を知る上では用途地域も必要だろうし、分譲時の状況などが分かれはなおいい。

 売主がしっかりしているところならば、施工会社の実績や知名度はあまり必要ないかもしれないし、施工会社がしっかりしているところならば、売主の知名度などはそれほど重要視しなくてもよいかもしれない。設計・監理会社も同様だ。

 現在のインターネットでの中古マンション情報は、これらの情報は検索してもほとんどヒットしない。個別の物件の概要を調べるしかない。「売主○○会社 施工○○建設 ○○年に即日完売」などで中古マンションが検索できたら、市場は大きく変るのではないか。

 

(牧田 司記者 10月2日)

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