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日本の文化と美意識を盛り込んだ

「ザ・ペニンシュラ東京」

ホテル外観

 

 「ザ・ペニンシュラ東京」を見学した。以前から取材を申し込んでいたが、同じように取材が殺到しており、なかなか実現しなかったものだ。

 同ホテルは、ザ・ペニンシュラホテルズを運営する香港上海ホテルズ社が9月1日にオープンしたもので、皇居外苑と日比谷公園の向かいに位置する地下4階地上24階建て延べ床面積約6万平方bの全314室。三菱地所が所有していた日比谷パークビルを建て替えたもので、ペニンシュラが期間50年で1棟丸ごと賃借する。

 記者はこれまで外資系のホテルでは、「パークハイアット東京」「ウェスティンホテル東京」「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」「マンダリンオリエンタル東京」「コンラッド東京」「ザ・リッツ・カールトン東京」など、ほとんどの名だたるホテルを見学したり宿泊したりしてきた。

 どれもが素晴らしかった。中でも、白と黒を基調にしたパークハイアット、温かみのあるベージュが基調で、いたるところに絵画・版画が掲げられていたウェスティン、最高のおもてなしを受けたリッツ・カールトンが印象に残っている。

 ザ・ペニンシュラ東京は、これらのホテルと比べ優るとも劣らないものだった。日本の文化や美意識がふんだんに盛り込まれていたのには感動すら覚えた。

 エントランスの間口がやや狭く、いきなりラウンジが設けられていたのには驚いたが、3層はありそうな縦格子のデザインが施された大空間には圧倒された。上層部に設けられたバルコニーからはピアノ・バイオリン・チェロの生演奏が流れてきた。ラウンジ正面には日本人作家による竹のオブジェが据えられていた。客室フロアの廊下の足元には灯篭をイメージした灯りが灯されていた。

 54平方bのデラックスルームは、明るいベージュ系が基調で、網代天井、栃の一枚板のドア、朱塗・寄木細工のような建具が用いられていた。1泊14万円のデラックススイートからは、皇居外苑、日比谷公園が一望できる素晴らしい借景が拝めた。

 2階の中華料理レストラン、最上階のバー&レストラン「Peter」はそれぞれ個性的なつくりで、5〜6階のスパ施設には和紙を用いた照明、地下1地階コリドーには大谷石を用いた腰壁が採用されていた。トップライト、ダウンライト、間接照明を巧みに用いた照明計画も素晴らしかった。

 他の外資系ホテルはどちらかといえばアジアンテイストになっており、日本人の記者にとってはやや違和感を覚えた。このホテルは設計が三菱地所設計、内装は日本人インテリアデザイナー・橋本夕紀夫氏だから当然かもしれないが、日本の心と技を随所に見せてくれる。

 日本を訪れる外国人だけでなく、日本人にとっても非日常≠ェ堪能できるホテルだ。

 

ロビーシャンデリア                         プール

  

   デラックススイート リビング                 デラックススイ―ト バスルーム

  

         デラックスルーム                     デラックスルーム バスルーム      

     

(牧田 司記者 10月1日)

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