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三井不と帝国ホテルのコラボ 「日比谷」再開発に加速 

帝国ホテル・小林社長(左)と三井不動産・岩沙社長

 

「帝国ホテルへの資本参加 画期的出来事」三井不動産・岩沙社長

 三井不動産と帝国ホテルは9月28日夕、帝国ホテル内で共同記者会見を開いた。帝国ホテル・小林哲也社長がやや硬い表情で、用意されていた文書を読み上げたのに対し、三井不動産・岩沙弘道社長は終始笑顔を見せ、原稿など読まず「日比谷再開発」などの中長期ビジョンを語った。両社の現在の立場を象徴していた。

 帝国ホテルは、わが国の迎賓館ホテルとしてホテル業界のトップに君臨しているが、相次ぐ外資系ホテルの開業で守勢にたたされている。業績こそ増収増益基調にはあるが、厳しい事業環境下にある。

 一方の三井不動産は今年5月、今年度を初年度とする向こう10年間の新長期計画「新チャレンジ・プラン 2016 」を発表。同社のコアビジネスである「保有事業」「開発事業」「マネジメント事業」をさらに伸長させる方向を打ち出した。その中で、不動産のソリューション・パートナーとして、ブランド価値の向上、M&Aなどの事業手法の導入、海外、リゾート事業を強化することもうたっている。

 会見で岩沙社長は、三信三井ビルや日比谷三井ビルの建て替え事業に言及しながら、帝国ホテルについては「最高のロケーション。唯一無二の存在」と語り、帝国ホテルを含めた一体的な再開発に意欲を示した。同ホテルへの資本参加については「画期的な出来事」とも語った。

 岩沙社長、小林社長とも、具体的なホテルの建て替えについては言及を避けたが、すでに解体済みの三信ビル(敷地面積約2700平方b)と隣接する日比谷三井ビル(同7900平方b)も建て替える方針で、この2つのビルと目と鼻の先にある帝国ホテルとの一体開発が行われることになりそうだ。

 

(牧田 司記者 9月30日)

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