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オークション市場の定着に確信

不動産流通業 5 社が「不動産オークション協議会」設立

 東急リバブル(袖山靖雄社長)、東京建物不動産販売(井上克正社長)、野村不動産アーバンネット(北村章社長)、三井不動産販売(佐藤実社長)、三菱地所リアルエステートサービス(八木橋孝男社長)の不動産流通業5社が9月5日、「不動産オークション協議会」を設立したと発表した。

 平成12年の公正競争規約の改正を受け、複数の企業が不動産オークションの運営を開始し、事業用・投資用不動産を中心に実績が上がり始めているとの認識から、これら各社も公平・公正な価格形成とより不安のない安心な取引の実現に向けて協議を行っていくのが目的だ。年内にもサイト立ち上げなど具体的なスケジュールを発表するという。

安い買い物≠したという満足感も得られるオークション

 記者はこのニュースを聞いて、不動産のオークション市場が一般化すると確信した。不動産のオークション市場についてはもう10年も昔から聞いていた。パソコンがそれほど普及していない時代で、話を聞いたときは半信半疑だった。

 ところが、現在は、新築にしろ中古にしろ、物件検索も購入申し込みもインターネットを通じてというのが一般的だ。

 ネットの情報もオークション情報も基本的には同じだ。根本的に異なるのは、ネットの中古情報は最高売り希望値≠ェ示されており、オークション情報は最低落札価格≠ェ示されているだけではないかという気もする。成約価格は売主と買主の商談によって決まるということではどちらも一緒だ。情≠ェ絡まないオークションのほうがいいという人もいるだろう。

 記者自身、違和感は全くない。不動産オークションに参加したことはないが、絵画はオークションで結構購入した。絵画のオークション市場はいわば玉石混交≠ナ、贋作もかなり出回っているが、ある程度の審美眼を持っていれば、ニセモノをつかまされることはない。締め切り間際にどんどん競りあがっていくのはわくわくするものだし、予算内で落札できたときなどは安い買い物≠したという満足感も得られる。

 もちろん、不動産物件は額的にもけた違いのものが多いだろうし、一生に一度の買い物≠フ居住用は定着まで時間がかかるかもしれない。

 しかし、一定のリスクを承知の上で購入する投資物件などは、売る側にとってオークション市場が最適だろうし、買う側も、提供される情報が確かなものであれば、安心して参加できるだろう。各社がどのように安心で安全な市場を構築するかにかかっている。

「協議会の設立を歓迎」アイディーユー・天野氏

 先に全宅連から「マザーズオークション」が認定された不動産オークション最大手、アイディーユーの市場企画本部プロモーションチーム チームリーダ・天野善彦氏は、「不動産オークション協議会」設立について、次のようにコメントした。

 「オークションに参加するところが増えるのはいいこと。むしろ遅すぎたぐらい。オークション市場が認知されつつあるということでもあり、お客様の選択の幅も広がる。非常にいいことだ。これからは、どういったサービスができるかが問われることになりそう」

 

(牧田 司記者 9月6日)

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