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「マンション評価ナビ」開設への期待と懸念

 

 首都圏のシングル・カップル世帯向けのマンション評価サイト「マンション評価ナビ」が9月からオープンされるという。開設するのは株式会社風(大久保恭子社長)だ。

 首都圏の新築マンション契約者の半数以上がシングル・カップル世帯であるにもかかわらず、メディアやオンラインなどで提供される情報はファミリー向けマンションに関するものが大半で、「マンション評価ナビ」は、首都圏のシングル・カップル世帯に絞り込み、情報不足の解消に貢献するという。

 主な特徴は、住まいの目利き集団「マンション評価委員会」による独自に設定した104の評価項目に即した現地調査による評価をはじめ、物件の比較検討のためのノウハウの提供、常時100〜150物件の評価結果を掲載する網羅性の高さ、中立性・公正性の追及などとなっている。

かつての名物編集長≠フ手腕に期待

誰が評価し、誰に勧めるのか≠ェポイント

 記者は、分譲マンションの評価サイトなどは、雑誌も含めほとんど見ない。自らも20年以上にわたって毎年20〜30物件を「話題のマンション」として紹介しているからでもあり、予断や先入観を持ちたくないからだ。(へそ曲がりだけなのかもしれないが)

 しかし、かつて「住宅情報」の名物編集長≠ニして名を馳せた大久保氏がどのようなサイトを開設するのかは大変興味がある。

 記者も、デベロッパーには単身者やDINKS、あるいは熟年夫婦向けのマンションがもっと供給されていいと思っているからだ。数年まで大量に供給されたこれらのマンションは、地価上昇とファンドなどへの一括分譲で供給は先細りする一方だ。

 その半面、これらの層の取得意欲は全然衰えていないと見ている。都心部は価格の上昇で購入しづらくなっているが、準都心部や郊外でも十分売れると見ている。ファミリーマンションの1スパンでもいいから、小家族向けのプランを盛り込むべきだとも思っているぐらいだ。

 世帯構成がここ20年で激変し、単身者の購入意欲が劇的に向上しているのに、どうして平凡な田の字型のプランばかり供給するのか理解できない。

 ただ、マンションサイトによる評価は、責任を明確にする意味で匿名ではなく評価者を明記すべきだろうと思う。104もある評価項目を数値的に処理してみても何の意味もないだろう。十全の分譲マンションなんて億ションぐらいしかないからだ。(億ションでもないかもしれないが)

 評価サイトの正否は誰が評価し、どのような人に勧めるのか≠ェポイントになりそうだ。

 ちなみに、記者のもっともお勧めのマンションは鹿島建設「加賀レジデンス」だ。面積が広いので小家族向けではないが、こんな美しいマンションは見たことがない。小家族向けでは、瞬く間に売れてしまったが、東京建物「ブリリア武蔵小山id」のデザインが最高に素晴らしかった。

 

(牧田 司記者 8月3日)

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