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ヒットの予感 三井不販「相創の場」 出でよ音頭取り

「相創の場」のサロンオフィス

 

 三井不動産販売は7月31日、明日(8月1日)にプレオーブンする団塊世代を対象にしたビジネス拠点「相創の場」(7月19日付記事参照)を報道陣に公開した。

 「相創の場」は、団塊の世代の豊富なキャリアとネットワークを退職後も生かすため同社が設立したもので、第一弾として日比谷三井ビルディング内に開設した。広さは約68坪で、パソコン操作を行ったり談笑したりするオープンな「サロンオフィス」のほか、少人数の利用を想定した4室の「ミーティングルーム」、プリンタ、コピー機、ロッカーなどからなる。

 開設に当たって同社執行役員・アセットコンサルティング営業本部副本部長「相創の場」日比谷オフィスゼネラル・マネジャー伊藤正裕氏は、開設の理由などについて次のように語った。

 「私ももうすぐ59歳、典型的な団塊世代の一人。退職後の行き場がなく、一人では何もできない世代だが、唯一、右肩上がりの時代を前向きに生きてきた世代。この経験を社会のために尽くしたいと考えている人は多いはず。施設賃料などを考えれば、即収益につながるわけではないが、大きなウェーブを作れるかもしれないし、不動産コンサルフィーがいただけるかもしれない。いずれはユニバーサルな場にしたいし、地方でも展開したい。すでに地方からの問い合わせもある」と。

 団塊世代の記者(58歳)は、伊藤氏や同社アセットコンサルティング営業本部情報開発営業部「相創の場」日比谷オフィスゼネラル・マネジャー石川義英氏の話を聞きながら、大ヒットするかも≠ニいう感を強くした。

 記者団からは類似施設との差異や収益性について質問が集中したが、同社は目先の利益を追っていないのは明らかだ。先に設けた富裕層向けの拠点「リアルプランセンター」も同様だろうが、種を蒔く時期と考えているのだろう。新たなフィービジネスを開拓できれば初期投資は微々たるものだ。

 伊藤氏が語ったように、団塊世代は一人では何もできない∞ノーテンキ≠ネ弱点もある。考え方の根底には、受験競争の厚い壁に打ちのめされ、社会革命≠ェはかない夢で終わった挫折感からだろうか、ものごとを評論家的に眺め、実行力に欠けるところもある。

 しかし、一方では、真面目で何事にも真正面から取り組むいいところもある。人より抜きん出て優れているものを一つや二つは持っている。それぞれの持ち味を引き出せれば、大きな力を発揮するのは間違いない。

 問題は、その力を引き出す音頭とり∞取りまとめ役≠ェいるかどうかだろう。「相創の場」からそのような人材が生まれるのを期待したい。行政との連携も考えられる。

 それにしても、伊藤氏が堺屋太一氏の話として紹介した団塊世代からは一人の国務大臣も出ていない≠ニは本当だろうか。

 

(牧田 司記者 8月1日)

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