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広報は車の前輪″L報活動に力を

 

「広報は企業の顔」「広報は水先案内人」

  先日、大手デベロッパー8社の広報を担当する方々と報道陣の恒例の懇親会があった。もう20年以上も続いているもので、記者もほとんど欠かさず出席してきた。日ごろのご無沙汰を詫び、取材の便宜を図ってもらうためにも非常に有意義な会だ。

 そこで、一つ二つ、お願いしたいことがある。

 一つは、もっと時間を有効に使っていただきたいということだ。会はおおよそ2時間ぐらいに設定されているようだが、ビンゴ≠ネるアトラクションが毎年行われるため、各社の方々と懇談できるのは1時間ぐらいしかない。1時間では8社全ての方々とゆっくり懇談できない。

もう一つは、もっとどんどん広報活動に力を入れていただきたいということだ。これは、8社の広報の方々に限らず、住宅・不動産会社全ての広報の方々に考えて欲しいことだ。

 記者は、「広報は企業の顔」「広報は水先案内人」と考えている。以前はそうでもなかったが、今は広報を通さず取材活動を行うのはほとんど不可能だ。広報の対応は則ち会社の対応だ。取材目的に沿った対応を怠れば、取材記者に対しても不愉快な思いをさせるだろうし、会社の利益にもならないだろう。

 IR活動との関係で言えば車の両輪≠ノ例える人もいるが、私は車の前輪(広報)と後輪(IR)≠フ関係と捉えるのが適切だろうと考えている。広報活動は、企業のいま現在、あるいは近未来の方向性を外部に発進する機能を持っている。一方のIR活動はもっぱら決算資料などを基に将来性を占うことが多い。広報活動は先行指標で、IR活動は遅行指標といっては言いすぎだろうか。

 前輪が方向を間違ったり急ブレーキをかけたりしたら、車は大変なことになる。広報活動も同じではないだろうか。

 それほど重要な部署にもかかわらず、広報活動に熱心でないところが多いのは残念でならない。かつて、ある新興デベロッパーに取材を申し込んだところ、「当社はお客様の利益にならない取材は受けない」という答えが返ってきた。お客様≠ニは、つまり住宅購入者か株主のことを言っているのだろうが、このような考えをもっている不動産会社は決して少なくないはずだ。

 しかし、このような会社が、本当にお客様の利益を最優先していないことは経験で分かっている。破綻した企業の多くはそのようなタイプの会社だった。

 ついでながら、同業、とりわけ業界紙の記者の方々にも一言。こんなことを言うと、天に唾するようなものだし、大きなお世話かもしれないが、もっと現場主義を貫いて欲しいということだ。現場をみないと、ものは見えてこない。

 

(牧田 司記者 7月30日)

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