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大京のアートなマンション「四谷タワーゲート」が竣工

「ライオンズ四谷タワーゲート」(完成予想図)

 

 大京が外国人建築家を起用したデザイナーズマンション「ライオンズ四谷タワーゲート」が竣工し、関係者と報道陣に公開された。

 同マンションは、丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩4分の29階建て全299戸(販売戸数は268戸)の規模。専有面積は約33〜137平方b、価格は3000万〜1億9000万円、平均坪単価は350万円。施工は安藤建設・東亜建設工業共同企業体。

 デザイン監修に、わが国に活動の拠点を置いているリカルド・トッサーニ氏を起用。総合設計制度を活用して地域住民との共生を図り、公開空地やコミュニティホールを設置、屋上緑化を図っているのが特徴。

 記者は昨年、同マンションのモデルルームを見学しているが、丁度、野村不動産・三井不動産・三菱地所の3社JV「ザ・センター東京」(426戸)の販売事務所と目と鼻の先にあり、呉越同舟の形が販売にプラスに働くと予想した。坪単価は「ザ・センター東京」(坪330万円)よりは高かったが、販売は順調に進むだろうと読んでいた。

ミリ単位のデザイン指示に、施工現場では泣き

 今回、完成したマンションを見て、リカルド・トッサーニ氏のデザインへのこだわりにあ然とした。

 例えば、エレベータホールの内廊下の竹をイメージしたデザイン。各フロアの壁とフロアに異なるデザインが施されているのだが、基壇部から頭頂部までつながると空に伸びる複数の枝となっている。施工に際してはミリ単位でリカルド氏は指示したという。

 また、外観は四面全て表情が異なるようにしているが、外壁のフレームの角度を変えたり、ガラスのボーダーには印刷した色の異なるシートを挟み込み、しかも、基壇部から頭頂部へとグラデーションをかけたりしている。さらに、建物は低層と高層であるため、連続性を保つようルーバーを工夫したり、壁材を統一したりしている。

 余りにものこだわりに、施工現場では泣き≠ェ入ったというが、そうだろうと思った。その結果、素晴らしいマンションができたのだから、販売現場の苦労は報われたということだろう。

  

内廊下と床に施された竹をイメージしたデザイン(左)と、各フロアのイメージ図

地域共生への取り組みに感心

 もう一つ、記者が感心したのは、大京の地域共生の取り組みだ。同社は以前、谷中のマンションで近隣住民の意見を大幅に採用したマンションで話題になったが、最近では「月島」でも地域親和をコンセプトにした環境共生型マンションを建設している。

 今回も、敷地隣りにある公共施設との調和を図るため公開空地を整備し、町内会や近隣住民も利用できる約200平方bのコミュニティホールを設けている。

 また、敷地北側に住む住民の「プライバシーを守るため、バルコニーはコンクリートにして欲しい」という要望を受け入れ、5階までバルコニーはコンクリートにする一方で、その外側にリカルド氏のガラス外壁を貼っている。双方の意見を取り入れるため、涙ぐましい努力をしているのがよく分かった。

 同社広報マンは「このような取り組みを報道してもらうのは嬉しいのですが、建設現場への住民の方の圧力≠煖ュまりそうで…」と語ったが、その気持ちもよく分かった。

 

(牧田 司記者 5月30日)

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